本建物の位置する綱場・呉服町界隈は、かつて商業も栄えた寺町エリアである。現在の商業・業務の中心の天神地区と如何に差別化を図り、独自の魅力を発揮できるかがデザインのテ-マであった。ランドスケ-プでは、接道する4周の道路に面して公開空地として歩道や植栽等を整備することで、明治通り沿いの街路空間・街区活性化、敷地両側の歩道のない道路の生活環境、市街地環境、生態系の改善に向けた取り組んでいる。
前傾したガラスカーテンウォールと植栽桝等により規定された空間は、建築と都市景観・市街地環境との新しい関係性を生みだし、抑揚ある照明計画と合わせることで、夜間においても、歩行者の安全性の確保、沿道部の賑わいの演出、空間の奥行感の演出を融合させた個性と魅力にあふれた空間の創造を目指している。
エントランスの木ルーバーはシュミレーションを行い、間接照明スリット幅と床面照度の明るさが十分に検討されており素晴らしい。
特徴的なファサードと柱型をアピールしつつも、周辺の安全性や演出に配慮をしており、リズミカルな照明によって活気のある雰囲気も創り出すことに成功している。