熊本地震震災ミュージアム 体験・展示施設 KIOKUは、熊本地震の記憶を後世へつなげ、自然の恵みと驚異を伝えていくミュージアムである。敷地は南阿蘇村の旧東海大学阿蘇キャンパス内に位置し、旧1号館をはじめ震災遺構が周囲に残された立地であることを踏まえ、体験を建物の中だけに閉じず、風景に呼応したおおらかな屋根をかけることで、周囲を眺めながら訪れる人がそれぞれの方法で自然の力を感じとり、考えることを促すミュージアムを目指している。
周辺の風景を切り取るように計画された建築は、風景と呼応するような屋根のカーブが敷地に対し伸びやかに折れ曲がった形状となり屋外と室内が繋がっている。屋外と室内の照明を建築形状に合わせて配置し、訪れた人々を光によって導く計画である。
地元木材を現しにした傾斜天井をアッパーライトで照射することで,意匠性・オリジナル性の高い建築と一体化した照明を実現している。リズミカルな壁面照明は動線を誘導し、来訪者に安心感を与えている。夜間は壁面照明により、来訪者を導く光の動線となっている。
阿蘇山を眺められる交流ラウンジの演出が素晴らしい。
建築を生かしている。パーキングの光害まで配慮されているのがよい。