2023年4月に運用が開始された中央大学茗荷谷キャンパスは、都心に位置しており、法学部学生が活動するキャンパスと、関係者以外も利用可能な郵便局やカフェを持つ複合施設として新築された。
施設の景観は大学の歴史を継承したデザイン、施設内は中央のアトリウムが建築の大きな特徴で、各階の回廊から最上階のトップライトを望むことができる。また、地下2階の自習室外壁にはドライエリアを隣接し、地下階でありながらも、自然を感じることのできる開放的な空間を実現している。
これらの建築的特徴に3つの光環境コンセプト「歴史と季節の陰影による継承」「SkySync照明による空と照明の呼応」「自然光模擬照明による快適性と学修意欲の向上」を加え、“光の共奏”により生まれた空間は、学生活動の充実と活性を生み、質の高い光環境デザインを実現した。
大学の格式と学生の快適性を創出した計画となっている。環境への配慮やレジリエンスの向上は国や地域、分野に関わらず共通の重要課題となり、汎用性のある照明器具や制御システムで電力消費量やエンボディードカーボンを抑た計画は今後光環境を創造するうえで大きな影響を与える。