帯広市内、雄大な日高山脈を望むことができる場所に建てられた、北海道の農業生産技術開発・発展の中核を担う農協関係団体が集結したオフィスビルである。十勝の豊かな「自然の恵み」を取り込んだ機能的な執務空間を備え、安心安全で「長期的な利用」ができるとともに、十勝のシンボルとして「人びとのつながり」を育む建物、をテーマとしている。照明計画においては建築コンセプトを活かしつつ、人感センサーとタイマー制御、室内の明るさ検知による自動調光、全館LED・節水型衛生機器の採用と省エネルギー化に配慮した計画としている。
エントランスの廊下壁面は、積雪した山脈の高低差や立体感を表現するため3Dシミュレーションにより器具の設置高さと光量バランスを最適に設定している。吹き抜け階段はブラケットと間接照明を用いて意匠的な壁面や天井を照らし、自然な開放感を演出している。役員会議室は田畑をイメージした意匠天井を際立たせるライン照明と間接照明を採用、また4パターンのシーンが記憶・再生可能な調光システムを構築している。