札幌駅前通に面し、地下歩行空間(チ・カ・ホ)に直結した賃貸オフィスビルである。低層階には地下と地上の賑わいをつなぐ地域に開かれたオープンスペースを設け、外との連続性を感じさせる屋外広場のような空間を目指し積極的に自然光を取り入れている。吹抜けから地下へと導いた自然光に呼応するようにサーカディアンリズム制御を備えたライン照明を多面体形状の壁・天井に沿うように配することでその変化を最大限感じられる設えとした。システム天井照明では凸型千鳥ベース照明システムを考案し、天井面の明るさ感や均斉度を向上させつつ、省エネルギー性を高めている。
積極的に自然光を取り入れるとともに、自然光に呼応するサーカディアンリズム制御を採用するなど照明演出に工夫がみられる。またコンピュテーショナルデザインを取り入れた照明設計により環境性(省エネ性)と明るいワークスペースの両立が図られている。オープンスペースでは多面的に連続した壁面の折れ線部分や階段蹴込部分にライン照明を設けるなど、空間の連続性や高揚感を演出する工夫が凝らされている。各種の照明器具を使用した照明計画により札幌市民の文化芸術の建物にふさわしい雰囲気を演出している。