早朝に行われる集会機能を持つ会館棟と、地域交流スペースを有する地域交流棟からなる、法人会館である。会館棟は、シンメトリーな立面構成と象徴的な大階段、ルーバーによるシンプルなファサード、コンクリートとスチールのプリミティブな材料構成で、都市景観に凛々しさを与えている。
ルーバー越しの照明とすることで全体の照度を抑えるとともに、中心にある大階段の手摺照明で建物内部への導入をドラマチックに浮かび上がらせている。地域交流棟は、ダイレクトに地域とつながる分棟で、楕円形状、サッシレスのガラス、周辺を映し込むアルミルーバー、最小限の構造体で支えられた曲面天井が人々の関心を高め、交流のきっかけを作っている。街をやさしく照らす発光体と見立てた地域交流部分の照明計画は、敷地周囲の外灯とともに道行く人々の足元を照らし、周辺の雰囲気や安全性の向上に寄与している。
落ち着ける印象を受ける。照明を含め美術館のように構成されており格好良い。建築との組み合わせにより、最大限に審美的効果的に演出している点を評価したい。
街をやさしく照らし、やわらかい光の空間、厳かな光の空間と外部からドラマチックに繋ぐ空間など、建築と調和しつつ、光によって、より一層その空間の質を高めている点が評価できる。