既存施設の老朽化により、人・文化・世代・地域をつなぐ「知の拠点・交流の場・発信の場」の基本理念で新設された図書館である。①市域の森林活用、②山並み・アンパンマン列車への眺望、③周辺環境への調和、の3つの要素を重視し、「風景や居場所に応答する一枚の屋根」を実現した。
中央の「曲面木トラス」は、屋根を滑らかな曲面に仕立て、内部へダイナミズムを与える木の構造体であるが、その形態に寄り添い浮遊するような光をテーマに、木トラスに支持したライン照明をランダムに散りばめる照明計画とした。スチールの円弧梁に囲われた部分は木ルーバー+ライティングダクトとし、用途やシーンによって器具を変えられる可変性・更新性の高い計画とした。
浮遊感のある器具配置がトラス構造のリズムと独特の演出効果があり、設計者のコンセプトが活きている。