早朝集まることに特徴がある集会場の建替計画である。集会はコロナ禍により中断されていたが、再び集まるための場所を作ることを目標とし、現地に集まることの価値として光の変化の体験を空間で表現することをコンセプトとしている。
日照時間が短く光の弱い北陸において光を繊細にコントロールするために、木漏れ日のような光を内部に導くファサードの導光ガラスと、スクリーンの内側に複数の立体テラスを設けると共に、様々な照明手法を組み合わせ、光による目的に応じた場所づくりを行なった。早朝のみならず終日光の変化を感じ、それぞれがその時々に気持ちの良い居場所を見つけ、ゆっくり過ごし、体験できる空間づくりが目指されている。
日中は木漏れ日のような昼光を効果的に取り入れ、夜間は金沢の伝統的町並みと調和するよう暖かみのある柔らかな光を間接照明や局所照明計で創出している。
自然光の変化を取り込む導光ガラスは、人工水晶を鋳造して製作され、太陽の角度や気象条件により空間の見え方が変化し、年間を通じて導光ガラスの効果を最大化するようなガラス形状決定を行っている。結果として、一日を通して変化に富んだ良好な室内光環境を実現している。