山中に位置するゴルフ場のクラブハウス建替計画である。かつての山頂の稜線をなぞるような形態の大らかな1枚屋根を再現することで、土地に馴染み、昔からあるようで親しみやすい印象を与えつつも、創造的であり、どの最終ホールから見ても印象に残る風景を創造している。内装は高天井による開放感や内外の連続性を強調することで「自然とともにあるクラブハウス体験」を感じることができ、ロビー・レストラン等の大空間は柔らかな自由曲線を描く屋根と一体化されたハイブリッド梁・天井羽目板の木材に覆われている。天井のハイブリッド梁の架構をより綺麗にしっかりと見せる為に、壁を対照的な繊細な線材(縦ルーバ)で設え、軽やかに見せる事を意識している。
ルーバ上部を間接照明で柔らかく照らすことで屋根の浮遊感をより高めている。屋内照明は温白色(3500K)とし、落ち着きのある雰囲気を演出し、屋外照明は電球色(2700K~3000K)とし、最終プレーから戻ってきた際に温かく迎え入れるハウスとしての場所性を演出している。
特徴的な空間デザインに溶け込むように照明は配置され建築デザインを引き立てている。
一方で、照明器具デザインが重要な役割を果たす空間もあり、それぞれの空間の特徴に合わせた照明計画が行われている。