2008年竣工の保養所を兼ねた企業研修所の機能と造形をアップグレード・拡張する増築計画である。鳥取の砂丘地形に特有の海浜自然環境について、調査に基づいた恢復・保護事業を行う一方で、採光・風速シミュレーションに基づいたコンピューテーショナルデザイン、地形や既存樹木の評価、新植樹木の計画によって造形を行った。
照明環境においてはセンサ制御を組み合わせることで、快適性・省エネ性を両立しつつ自然環境に対してひらかれた施設を実現している。増築した研修棟と低層の実技研修棟を空中でつなぐホワイエは、外部自然環境(風景・光・空気)を積極的に制御しながらとりこむ、有機的なパブリック空間とすることを構想して、自然と人工を「共調」させる照明設備・換気空調設備を導入している。