国際的なシェアを誇るオイルシールメーカー、NOKの本社ビルである。
「Borderless」をテーマに、部署間、職種間などのあらゆる境界をなくし、NOKが掲げる「人間尊重経営」を体現する空間の創出を目的とし、ポストコロナを見据え、建築計画、環境技術、ワークプレイスの在り方からこの問題に取り組んでいる。
基準階執務室では、建築、構造、設備が高い次元で連動し、印象や光環境や温熱環境といった室内環境の作り込みを行った。省エネや飛沫拡散の抑制、換気効率に大きな利点のある、躯体蓄熱を用いた輻射空調とアンダーフロア空調を組み合わせた空調システムの採用に合わせ、露出される梁型やスラブ面を活かした照明計画を行った。
執務室の照明は建築構造を利用した間接照明が実現され、人が感じる快適な明るさ感を確保しながら省エネを図り、不快グレアを抑えたワーカーが快適に働ける空間となっている。