川崎駅西口の駅前広場の一角に面する旧国鉄の川崎変電所レンガ倉庫があった場所に位置し、大きく分けて高層のオフィス棟、中層のホテル棟および低層の商業棟の3棟で構成されている。各施設の機能や環境等を考慮しながら回遊性を持つ配置計画となっており、歴史の継承と地域に根差した建築デザインを目指している。
建物外観を、シャープなパターンにより川崎の先進性を表現するオフィス棟やホテル棟による中高層部と、レンガ倉庫や自然の記憶を継承する商業棟による基壇部のハイブリット構成とし、また敷地全体を覆う歩行者デッキにおけるランドスケープデザインも、歩行者動線に沿って複数のエリアに分けられ、個別に川崎らしさを表現している。
再開発事業における複合施設の集合体において、お互いの連続性や共存の形をきめ細かく検討し統一感を創出している。光のスリットを屋内、外で、巧みに表現を変え、演出している点は、都会的なセンスを感じさせるものであって、駅前複合施設に相応しい巧みな演出力が感じられる。