異国情緒あふれる港町・神戸。本計画地は、神戸港と外国人居留地を結び、かつて「東洋のウォール街」と呼ばれるほどの繁栄を築いた栄町通りに面している。近年では、維持保存が困難になった歴史的建築物を、むしろ開発の価値として位置付ける手法が、商業施設・文化施設・オフィスなどでは徐々に増えつつある状況ではあるが、大規模な集合住宅ではなかなか見られていない。
この計画は、集合住宅で歴史的建築物の再生を行うことで、地域の人も、居住者も誇りを持てるランドマークタワーとなっている。
歴史的建築物である基壇部の建築造形を照明効果により際立たせ、歴史的建築物の威厳を強調しながらも、周囲の街並み・景観との調和が十分に考慮されている。また、歴史的建物の威厳と内部においては、住宅としての癒しを照明で演出している点は評価に値する。