大阪と京都を結ぶJR京都線沿いに、新しい研究開発拠点「Innovation Garden OSAKA Center」が竣工した。多様な人材が交流することになるワークプレイスには、自由に居場所を選択できるABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)が採用された。昨今のワークプレイスでは、場の濃淡を家具やインテリアデザインに依存するケースが多く見られる中、「外部環境との関係」や「プランニング」といった建築的な方法により斑のある選択性の高い場を創り出したいと考えた。人が出会い集まる価値が最大化するような活き活きとしたワークプレイスの実践である。
従来の省エネルギー性に加え、オフィスワーカーの知的創造、健康・快適性への配慮やレジリエンスなどの環境性能に対応した「スマートウェルネスオフィス」はSDGs達成に向けた17の目標と深く関わっている。
アクティビティ・ベースド・ワーキングの考え方が採用された研究開発拠点の施設として、明るさやグレアに十分配慮しながら、光色や演色性を工夫して多様な執務環境を作りだしている。また、高効率LED照明を執務室全域で使用するほか、照度センサーによる昼光利用制御や、人検知センサー又はネットワークカメラによる照明制御によって大幅な省エネルギーを実現しており、経済性・環境性においても優れている。汎用性の高い器具を使用した照明計画であることから、波及効果も高い。