最新の研究実験機能と、高度な教育研究環境の実現を目的に建設された。2021年春に着工する研究実験棟Ⅳと広場整備を含む2023年度完成予定のキャンパス再開発計画の一環である。
理工学部の研究室・実験室・演習室等を回廊型で配置し、低層部にはアプローチに面する学生ホールや、開放的なラーニングコモンズを設けている。南面に拡がる斜面立地を活かしフルハイトガラスやテラス・植栽帯などで構成した開かれたファサードによって、大学への来訪者を迎える玄関口としての景観を形成している。近隣に対して高さを抑える半地下型とする反面、建物中央に光庭を設けて地下階まで明るさを届ける構成としている。
壁一面をガラスとする建築設計と適切な照明計画で自然光を有効に取り込むことにより、屋外からの眺めには透明感を、屋内からの外への眺めには開放感を与えている。研究実験室では、マルチコンフォートタイプのセード付き照明を採用することにより、不快グレアを抑えている。
黒と白、灰のコントラストを持つ廊下では、グレアを抑えた片寄せ配置の光源が静寂を演出している。学生同士のコミュニケーションや自習を意図した空間では、ペンダント照明と狭角グレアレスダウンライトによる意図的な暖かい光だまりが居心地の良さを演出している。