武蔵小金井駅南口の土地の集約化と健全な高度利用による駅前複合再開発施設である。商業施設、ツインタワーの住宅棟、子育て支援機能、コミュニティースペース等の都市機能を兼ね備えている。低層部は周辺環境を特徴づける国分寺崖線(=ハケ)をモチーフとした階段状緑地を、ライン型LED照明にて照らしあげると共に、アッパーライトが植栽の影を軒天井に映り込こませ、建築的特徴を豊かに表現している。住宅エントランスホールの2層吹抜け壁面は網目状のアルミキャストの背面にLEDライン照明を設置。壁面を均一に照らすと同時に金属への反射光で一定の輝度を出しながら視覚的な明るさも確保し、光により見る角度によって表情が変わる空間となっている。
立地の特徴である「ハケ」を分かりやすくファサードに表現し賑わいが生まれている。空間の多様性に対してもデザインの変化を付けながら抑揚ある照明計画にまとめ上げている。共用空間でも用途に応じた光環境が考慮され、鉛直面の輝度分布を確保することで配光の無駄を避ける点など、複合居住施設において参考になる点が多い。明るさの印象を生み出す工夫が随所に感じられ、それに伴う省エネ化も評価したい。