中村区役所等複合庁舎 28

東海5愛知県名古屋市中村区

照明施設賞受賞

  • 名古屋市
  • 竹中工務店
  • ライティングラボラトリー合同会社
図1 市民課待合スペース
図1 市民課待合スペース
図2 外観夜景
図2 外観夜景
図3 外観盆踊り時
図3 外観盆踊り時
図4 健診待合ホール
図4 健診待合ホール

概要

 1964年に建築された区役所の老朽化に伴い、区の4機能(区役所、土木事務所、保健センター、市税事務所)が旧小学校跡地に集約された。
 小学校跡地で行われていた盆踊りやスポーツの継続利用を目的とした広場を囲むように庁舎施設が配置され、半屋外の交流回廊「エンガワ」によって立体的に来庁者エリアを巡ることのできる計画とすることで、庁舎に目的がある人だけでなく子供から高齢者まで日常的に利用したくなる居場所を生み出された。
 多目的広場・交流拠点スペース・屋上庭園・集合会議室といった区民の日常の居場所が、災害時は地域の避難拠点施設へと変化する。「まちのエンガワ」は平常時・非常時問わず地域の安心・安全に貢献する区民の拠り所となる。旧区役所の外装タイルや旧保健センターの木ルーバ、小学校の豊かな緑化空間等の区民に馴染みのある意匠を踏襲することで旧施設の「建築の風景」と「活動の風景」が形を変えて残る場となった。
 窓口・待合の天井部分は、線材の木ルーバを組み合わせ、起伏を持った曲面により県産材の目材が来庁者を包み込む。効率よく用を済ますための場所であるだけでなく、居ても良い場所として来庁者がくつろげる空間となっている。

  • 用途:区役所・集会所
  • 規模:地上5階、RC造(免震構造)、建築面積:4,084.26㎡、延床面積:17,678.84㎡

2024年照明施設賞 寸評

 公の庁舎として求められるBCP対策や省エネルギー化(CASBEE Sランク)を計りつつ、地域の住人が訪れるときに、開かれた空間を創造する温かい「エンガワ」にある照明により、内外の差を感じず、用を済ますだけではない寛げる空間を演出しているところ高く用かできる。