1962年に株式会社カゴメの本社ビルとして建築されてから、街のランドマークとして認知され、60年ぶりとなる今回の建替えでも継続して市民に親しまれるランドマークとなるよう計画された。
社名の由来であるトマトを収穫する「籠(かご)の目」をモチーフとした「KAGOME ARCH」を低層部に設置し、上層部には木調色ルーバー、インテリアの組子細工を、通りから見えるエントランスホールに設けている。木と光によるデザインによりナチュラル志向の企業イメージを街に発信し、地域における新しい建築文化の創造に寄与している。
「光あふれるオフィススペース」、「自然を感じながら適度な運動が可能な健康階段」、「木や緑の意匠を施した共用スペース」など、環境・自然と共存できる都市型ウェルネス建築を実現し、環境性能評価として「CASBEE名古屋」、「CASBEEウェルネスオフィス」共にSランクを獲得している。
「籠の目」をモチーフとした木造のアーチを、均一に照明しながら立体的に見せるために形状や照明方法に様々な工夫と検討がなされており、結果的にアーチが美しくまた優しく照らし出され、光のシンボルとなって街に溶け込んでいる。また、エントランスホールでは組子細工と照明器具の組み合わせによって美しい光環境が、オフィス空間では昼光利用と人感センサによって快適かつ省エネルギーな光環境が実現されている点なども高く評価できる。