2022年に開催された栃木国体のためのメイン・サブの2つのアリーナと屋内水泳場、フィットネスで構成されるスポーツ施設である。公園中央エリアとの唯一の連絡通路である公道下の歩行者用地下通路のレベルまで地盤を掘り下げ、2階屋上テラス(マロニエテラス)までを緩やかにつなげる『交流の丘』をつくることで公園との一体性の創出を目指した。メイン・サブアリーナと屋内水泳場の3つの大空間は個々のボリュームに分節し、交流の丘を中心に配置することで、連携しやすい計画とするとともに、周辺環境・景観の中に溶け込むよう配慮した。
外観は、大谷石採掘場を想起させる石塊の表現とし、実際に大谷石を外装に用いることで、栃木らしさを感じられる場として、その魅力を発信している。
建築意匠との融合、全体のバランス、個々のエリアでの照明計画の考え方、どれをとっても、細部へのこだわりと計画の洗練さが秀逸。
複数用途をもつ競技施設と公園によって構成される施設が、屋内・屋外から俯瞰した視点でバランスよく計画されている。