1年の半分近くが雪に覆われる北海道古平町の庁舎・交流センターの複合施設で、防災拠点機能の充実と、町が令和2年2月に宣言した「ゼロカーボンシティ」の中心となる環境に配慮した施設である。寒さ厳しい冬の季節でも、街の灯となり温かみを感じるよう、木立にさす光をイメージした線と面による照明計画で建物全体を統一している。照明を始めとした様々な省エネ技術と創エネにより、通常の建物に比べてエネルギー消費量は58%となり、北海道内の庁舎で初めてZEB ReadyのBELS認証を取得した。
木立状の壁面で覆われた外観は、建物から漏れる照明の色温度を低めに統一することで木々の間から暖かい光があふれる様を演出している。執務室では天井の吸音板にライン照明を埋め込むことで反射板として利用し、拡散光を執務室に均一に落とす設計としている。ロビー吹抜けにおいてもハンチスラブに照明を反射させ、効果的にロビー内に光を拡散させている。施設内は照明制御盤や明るさセンサ・人感センサの制御により高い省エネ性を確保している。