京丹波町役場 29

関西2京都府船井郡京丹波町

照明施設賞受賞

  • 京丹波町
  • 香山建築研究所
  • 株式会社 環境エンジニアリング
  • 株式会社 ライティングM
図1 外観夜景
図1 外観夜景
図2 待合せロビー
図2 待合せロビー
図3 議場
図3 議場
図4 大会議室
図4 大会議室

概要

 京丹波町旧庁舎の老朽化に伴い、新庁舎が新たに建設され、2021年11月に開庁した。新庁舎には、京丹波町産のスギやヒノキが製材量で約1,000立方㍍使用されており、庁舎内には役場機能だけでなく、町民が日常的に集い、憩える場所が随所に設けられた。図書機能とカフェ機能、郷土資料展示機能をそなえた町民ラウンジ「こだち」は、開庁後、毎日多くの町民で賑わっている。
 新たな庁舎は、外部に向けて開放的なつくりとなっており、日没後は館内の明かりが優しく浮かび、さながら灯台の燈のような安心感を与えている。人々が交流ラウンジに集う姿は、京丹波町の新たな日常場面として夕景の中で浮き立ち、目にする人に賑わいを感じさせている。

  • 用途:庁舎
  • 規模:地上2階、木造及びRC造一部鉄骨造、建築面積:2,784.83㎡、延床面積:4,923.21㎡

2022年照明施設賞 寸評

 木材を活用した暖かみのある庁舎に対して、ライン照明や、天井の木材を照らす間接照明によって木の質感を演出するとともに、室内の作業者にとっても高い明視性、作業性を確保している。建築構造と一体となったトータルなデザインが秀逸であり、外部からは建物を行燈照明として演出して地域拠点としての存在感を醸し出すとともに、地域の夜のライフスタイルに変化をもたらす効果がうかがえる。建物と照明の在り方について類まれな秀作である。