建物の配置計画としては、葬送の場となるよう、サービス動線と遺族・会葬者動線を明確に分離し、周辺からの視線に配慮している。遺族の悲しみを和らげ、他の葬家を気にせず見送れるように遺族動線を「来場」「見送」「待合」「収骨」「退場」の流れに沿った一筆書きの動線にし、他の遺族との交錯がない、プライバシーが確保できる平面計画となっている。
炉前ホールは石を基調として重厚感があり、高い天井と間接照明により厳粛な空間とし、故人の昇天を祈る場としている。エントランスホールは高い天井や木の梁、特徴的なペンダント照明、間接照明により遺族をあたたかく迎え入れながら厳粛さも感じられる空間となっている。
葬祭場として、サービス動線と遺族会葬者動線を分離した照明設計がなされ、待合室、エントランスホールは木構造の風合いと外光を生かし、曲線的なペンダント照明、間接照明、電球色の低めの色温度とし、一方で収骨室や告別室は白色の高めの色温度、床面照度500ルクスとして厳粛な空間を作り出している。必要最低限の照度で設計し、周辺環境への配慮もなされている。