北海道ニセコ、羊蹄山の威容を仰ぐ倶知安町樺山に、18室の離れから成る全客室に源泉かけ流しの露天風呂を併設した宿泊施設。コンドミニアムやグローバルチェーンのラグジュアリーホテルが開発の主流であるニセコ地区において、この施設は独自性を追求し、18室の離れからなる和の旅館のようなデザインを採用した。自然の恵み、北海道ならではの文化を感じながらゆっくりとした時間を楽しめる場となるように「里山」というホテルコンセプトのもと、北海道らしい滞在空間の構築と、切妻屋根の建屋群が新しい風景として地域に溶け込むことを目指している。
また地産地消を推進し、構造材に道産カラマツ集成材、羽柄(はがら)材に道産トドマツ、外装材に道南杉板を用いるなど、道産木材を多く採用した。インテリアにおいても、木製サッシュや木製建具など、仕上げ材にも木質系素材を多用することで自然豊かな北海道らしさを演出するとともに、高級宿泊施設にふさわしい洗練された上質な空間を目指している。