神奈川県立音楽堂 25

東京14 神奈川県横浜市西区

照明普及賞受賞

  • 神奈川県立音楽堂
  • 前川建築設計事務所
図1 夜景
図1 夜景
図2 ホワイエ
図2 ホワイエ
図3 ホール
図3 ホール
図4 エントランス
図4 エントランス

概要

 モダニズム建築の巨匠の建築家前川國男氏の設計により1954 年、公立施設としては日本で初めての本格的な音楽専用ホールとして開館。今回の改修では前川建築のオリジナル化を掲げ、当初の形態・色合いを継承しつつ、照明思想を受継ぎLED化の難題を克服しながら、前川建築に新たな命が吹き込まれた。意匠性のある特殊器具は、オリジナルデザインを再現しつつ、光源を単にLED化するのではなく、一段と美しくするために「光の拡散・輝度の緩和・適正な明るさ・色温度のバランス」を目指した。また、屋内の光が外構側から見たときに美しい景観をつくるように計画しており、エントランス内の赤い壁や廊下の緑の壁面を照明し、効果的に鉛直面の輝度をつくりだしている。ホワイエは上方配光、下方配光の特注ペンダント器具で、間接光主体で明るさを確保している。デザインは開館当時のデザインを踏襲して更新し、光環境を改善したLED化である。

2019年照明普及賞 寸評

 建築家前川國男氏が設計された音楽堂の改修事例である。当初の形態 ・色合いを継承しつつ 、元々の建物意匠を損ねることなく、新たな照明システムを組み込もうとしている点が評価できる。前川氏の照明思想を受継ぎLED化したことは、今後の建築業界においても大変意義のある事だと考えられる。