東京国際展示場 南展示棟 20

東京9 東京都江東区

照明普及賞受賞

  • 株式会社佐藤総合計画 技術本部 環境設計室
  • 有限会社シリウスライティングオフィス
図1 展示ホール
図1 展示ホール
図2 連結通路
図2 連結通路
図3 コンコース
図3 コンコース
図4 エントランス
図4 エントランス

概要

 連続する2つの棟を一体にした施設であり、それぞれの棟は72m四方・5,000㎡の展示ホール2層から構成されている。建物デザインのポイントとして、西側に隣接する海に沿うように水平なラインを意識した外観となっており、既存を踏襲しつつも新たなデザインと技術を取り入れることによって、新たな環境へと昇華させる試みを行っている。今回は東京湾の景観を積極的に空間参加させ、西向きの建築であることから太陽光をほどよく制御しながら、景観の開放性と明るさを内部空間に取り込む計画としている。外観は既存との調和を意識しながらフラクタルな形態とコンボックスをシステムとして取り込んでいる。内部は西日を考慮して、開口部を制御しながら光を有効に空間参加させるために意図的に曲面をつくり、柔らかに光を空間全体に取り込む明るいインテリア空間をつくりだしており、エイジングのある内装や木材利用を試みて計画している。

2019年照明普及賞 寸評

  • 展示会場の新しい照明施設として良い参考事例である。
  • 天井、壁だけでなく、ダウンライトで床面をしっかりと抑えることによって、間接照明だけでは成しえない照明環境が作り出されている。
  • 空間用途に配慮しながら建築と一体化された照明デザインは、建物としての統一感も高い。
  • 照明効果を最大限に生かす照明器具設置のためのディテールへの配慮は今後も普及が望まれる照明計画である。
  • 展示場の照明として機能的であるとともに、来場者の気持ちに寄り添った照明となるよう工夫されている。