明治5年に開校し明治33年に京都御苑に隣接する現在の敷地に移転した歴史ある高等学校の再整備計画である。 昭和初期のRC造の、和洋折衷の風格のある本館と旧図書館棟を保存活用し、景観的に調和させた新築の教室棟と体育施設棟とともに全体を再整備している。
当時のアピトン材を再利用した階段の他、歴史ある茶室や和室の移築など、旧校舎建設当時の姿を一部残した計画となっている。
歴史ある高等学校の再整備に際して、旧校舎建設当時の資料を基にデザインを復元した照明器具を一部で使用すると共に新しい光源技術や照明手法も取り入れ、学校建築の歴史性と利便性の両立を実現している。歴史ある施設のリノベーションにおいて、その考え方や手法は参照すべき事例になるだろう。