「銀座」という地名の由来は、江戸幕府が銀貨鋳造所をこの地に置いたからと言われています。
現在では繁華街や人通りの多い場所の名として全国各地に銀座の地名がありますが、今回は東京都中央区の「銀座」のあかりをご紹介致します。
日本で初めて私達の前に電灯がついたのは明治15年11月1日である。
当時は太陽光線に近い光をもつカーボンアーク灯とよばれるものであった。
「日本最初の電気街灯建設の地」と記念して関係者の手によって昭和31年10月1日にこの銀座記念灯がたてられた。
現在の記念灯は昭和61年10月15日に建替えられたものである。
ポール部には由来が記載されている。
ランプ:メタルハライドランプ1kw
現在は2005年5月にランプを交換し点灯している。右の写真は、銀座に初めてアーク灯が設置された記念碑 。
ランプ:MF400
高 さ:6m
施 主:国土交通省 関東地方整備局 東京国道事務所
明治100年(昭和43年)の国の慶事にあわせて、銀座通りを立派に一新したいという銀座商店街の皆さんの希望を国土交通省が支援し、全面改修が行われた。
銀座と言えば「柳」とかえってくるほど、歩道の柳は長く銀座のシンボルでありつづけた。しかし、柳の生育問題や、落ち着きのある街並みの演出を考慮して改修工事を機に柳を撤去し、次世代のシンボルを街路灯とした。
それまでも銀座には街路灯はあったが、デザインからすべて新しくすることになった。プロのデザイナーに頼らずに、工事関係者と地元とが、街にふさわしい街路灯を発想し、つくりあげることとした。
照明灯のデザインは、銀座の雰囲気に調和し、伝統的にして格調高く、背後の直線的な建物に馴染む、昔ながらのガス灯イメージのものとした。このデザインは意匠登録を行っている。
照明灯の光の色は、ショッピングや散歩に行き交う人々をより美しく照らし、ロマンチックな銀座の夜を印象づけることをテーマに検討を重ね、特に口紅の色に焦点を絞った実験を行った。それまでの明かりは、形はともかく赤い口紅が黒ずんで見えると、評判が悪かった。
肌がきれいに見える光源を探し、赤と緑の光線にあたると、肌がつややかに光ると気づく。それまでの水銀灯には赤い色が混ざっていなかった。
実験を集約した結果、口紅の種類にほとんど関係なく照明効果が顕著だったのがメタルハライドランプだった。
自然光に比較して青味がかる特性が銀座通りに使用する光源として適か、不適かが議論された。ウィンドゥに陳列されている商品の見栄えや歩行者の顔映りを評価した結果、当時開発されて間もないメタルハライドランプを採用することとなった。
ランプ:(頂 部)HF1000X、(中間部)HF100X
高 さ:15m
施 主:東京都
デザイン:株式会社 GK設計
ランプ:(頂 部)HF1000X、(中間部)HF100X
高 さ:10m
施 主:東京都
デザイン:株式会社 GK設計
都市景観大賞(景観形成事例部門・地区レベル)入賞
参考文献 「銀座通り改修工事誌」国土交通省 関東地方整備局 東京国道事務所