出光美術館は、昭和41年(1966)、出光コレクションを展示する美術館として皇居のお濠に面した帝劇ビルの9階に開館しました。展示は日本の書画、中国・日本の陶磁器など東洋古美術を中心に、年6~7回の展覧会を開催しています。開館40年の節目として二ヵ年計画でリニューアルを行いました。
一年目は展示ケースの照明を一新しました。書画、陶磁といったバリエーションに富んだ展示物を効果的に照明するために、反射板やバッファが可変する展示用照明器具をつくりました。 屏風と陶磁のそれぞれの展示写真の通り、屏風では均斉度よく、陶磁においては余分な背景光をカットできるようにしています。
二年目には、展示室の環境を整える為に、展示室天井をリニューアルしました。諸設備を天井ライン内に集合させることにより、空間をすっきりとさせ、照明もそのライン内にベースダウンライトやスポットライトを取り付ける配線ダクトを設置しています。この天井においては、展示ケースの光を程よく受けて鈍く反射するように天井仕上げ色に拘りがあります。色は日本の伝統色から選んだ微妙な色合いの鼠色です。
また、島ケースにおいても光ファイバーや有機ELといった新しい照明を使用しています。
東京都千代田区
財団法人 出光美術館
2007年9月
Hf32W美術館博物館蛍光灯×2展示ケース照明
LDS100Wグレアレスダウンライト
JR12V100W光ファイバー照明
有機EL展示用照明
JD65Wスポットライト
松下電工株式会社