神戸市中央区役所・中央区文化センター 33

関西4兵庫県神戸市中央区

照明施設賞受賞

  • 神戸市
  • 株式会社日本設計 関西支社
  • アカリ・アンド・デザイン
図1 外観
図1 外観
図2 EVホール
図2 EVホール
図3 待合ロビー
図3 待合ロビー
図4 5階屋上デッキ(スカイデッキ)
図4 5階屋上デッキ(スカイデッキ)

概要

 計画地である神戸の旧居留地エリアは、慶応3年に神戸港が開港してから外国人居留地として整備された歴史があり、都心の中枢業務地として発展してきた。大正から昭和の時代の近代洋風建築も数多く現存しており、景観形成地区にも指定されている。このような歴史的背景から、旧居留地エリアのある神戸市中央区には外国人居住者も多い。
 「まちと繋がる庁舎」・「持続可能な庁舎」という計画コンセプトのもと、にぎわいのあるまちなみ形成を意識して計画され、行政サービスの充実を図る区役所機能と、市民の地域活動や芸術文化活動を支援する文化交流機能による複合施設である。木仕上げの積層させた大庇(スカイデッキ)や低層部に配した緑化プランターによるシンボリックな外観と、多目的ルームやホワイエといった賑わい施設を街路空間と一体的に計画し、潤いと共に賑わいの感じられる街路空間を形成している。また、安全安心を支える庁舎として免震構造の採用、非常用発電設備などを導入し、防災機能の強化を図っている。

  • 用途:区役所・文化施設
  • 規模:地上12階、地下1階、S造(一部RC造)
       建築面積:1,880.71㎡、延床面積:19,341.11㎡

2024年照明施設賞 寸評

 地域の特性を検討したうえで建築計画を行っていることが窺われ、照明はその建築の一部として効果が十分に発揮できている。建築外観の上層から低層までをライトアップで丁寧に統一感を持たせており全体的な調和が美しい。軒裏を照らす間接照明や、その下のグリッドへの照射が際立っており、照明が建物の存在感をより高めている。照明自体が全体的に控えめであることによって、より質の向上が図られていることが感じられ好感が持てる。