愛育産後ケア子育てステーション 17

東京10東京都港区

照明施設賞受賞

  • 合同会社チップス
  • 株式会社日本設計
図1 ベビールーム
図1 ベビールーム
図2 スーペリアタイプ宿泊室
図2 スーペリアタイプ宿泊室
図3 カフェテリア
図3 カフェテリア
図4 コリドール
図4 コリドール

概要

 築40年超の母子医療に特化したクリニックの旧病棟を、社会的に需要が高まっている産後ケア施設へ改修した施設である。運用と合致した良質な専用施設が必要であるとの考えに基づき、「ロールモデルとなる」ことを目指して本施設を整備している。フロア全体を、南麻布の街らしい「散歩道」をデザインのテーマに据えた共用部、上質なホテルライクであり落ち着いた住まいでもある宿泊室、それらをつなぐ中間的な領域により構成し、プライバシーの段階性に応じた内装となった。
 照明計画は、プライバシーの段階性に対応して照度や色温度等を設定すると共に、母子の目に優しいこと、内装の美しさを引き立たせること、安全性・メンテナンス性を重視した。さらに、照明をアートとして用い、複数のガラス面に映り込む光が織りなす幻想的な光景を創り出し、宿泊者及びスタッフにとっての癒しの空間となることを目指している。

  • 用途:病院
  • 規模:地上4階、地下1階、RC造、改修面積:2階190 ㎡/3階1,500 ㎡/4階1,000 ㎡

2024年照明施設賞 寸評

 産後ケア施設という、医療・宿泊・教育の施設が複合されたような特殊な施設に対して、光においても細かい配慮がなされ母親や乳児に対する優しを感じ取ることができる照明計画となっている点が評価できる。調光調色システムを用いたサーカディアン照明をベースとし、個室においては個別調光を採用するなど、施設の規模や目的にあった照明設備の検討がなさている。建物の用途や規模と照明計画・デザインの方針やコンセプトが高い次元でマッチしている好例と思われる。