正式名称『宮守川橋梁』は、石造である旧橋が1915年に竣工し、JR釜石線の前身である岩手軽便鉄道でも使用され、宮沢賢治の童話『銀河鉄道の夜』のモチーフとなったことでも有名である。1943年に改修され、現アーチ橋となり、その形状から『めがね橋』として親しまれ、長さ107.3m、高さ17.8mで20mの間隔で5連のアーチを構成している。旧橋の橋脚3基(内2基は一部のみ)が併設して現存しているため、よりノスタルジックな雰囲気を醸し出し、2002年には『日本土木遺産』、2009年には『近代化産業遺産』として登録される。
1980年代末に地元商工会青年部の企画で始まった夜間のライトアップは、1994年からJR釜石線を運行している『SL銀河』とのコラボレーションイベントを開催するなどして多くの観光客を楽しませている。また、隣接する道の駅みやもりを訪れる人々に日々やすらぎを与え、その功績からフルカラーLED投光器を導入した2020年、一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローから、めがね橋ライトアップが『日本夜景遺産』に選ばれた。
基本的な演出は、通過する鉄道と国道の通行車両を考慮し、従来同様季節に合わせた単色または複数色を使用し橋脚を照らしているが、期間限定イベントの際には時間により幾重にも色が変化する演出も行うことを可能としている。