常葉大学における学生数4,000人規模のフラッグシップとなる静岡草薙キャンパスである。中心となる2階の「キャンパスリビング」は、吹抜けなどを上下に取って1~3階を繋ぐことで空間に都市性を与え、内部空間をワンルーム化することで教室内に留まっていた「学び」を開放し、多分野、多機能が重なり合う交流の場となっている。吹抜け上部のトップライトや隣接するテラスから光、風、緑を取り込むことで内外を一体化し、目的空間である教室や事務室へ豊かな外部環境を届ける媒体として機能している。
南から北へと22本の桜を並木として建物と対峙させながら植えることでキャンパスの風景を印象付ける東側のオープンスペースには多様な活動を促す「食」「知」「育」「動」の4つのテラスを設けた。それぞれは近傍にある1階内部の機能や2階から4階に設けたステップテラスとも立体的に連動することで、学生達の活動は地域とつながり、地域は建物内部へ入り込み、内部空間まで含めた地域との交流が行われ、キャンパスは大学が掲げる「開かれた知と地の拠点」となっている。
開かれた知と地の拠点大学として、塀のないキャンパスと心地よいライトアップで、周辺へ安全安心を提供できている。柱列アッパーライト、敷地内の点在するストレートファニチャーへの照射、高木へのアッパーライト、庭園灯、ウッドデッキのステップテラス手摺組込み照明(3000K~4000K)で建物へ上手く導き、建物外壁の木色ルーバーに映る明かりと共に優しさと暖かさがある。学生食堂の開放的な窓からの山々の雄大な風景と対比する。上下配光の大きな光のリング照明も優しさと暖かさがある。